経営企画部門の強化と支援

社会と経営環境の変化が激しくなり、経営戦略の立案と実行を管理する経営企画部門に求められる役割も複雑化、高度化してきました。変化に対応し、価値を生み出していく経営企画部門の強化にはどういった視点があるのでしょうか?

市場(Customer)、競合(Competitor)、自社(Company)の3Cから構成されるスタンダードな競争戦略が確立された後、今日まで様々な戦略が提唱されてきましたが、競争戦略の基本は大きく変わっていません。市場、競合、自社が主要な要素なのは変わらないからです。

しかしながら、大きく変わったものがあり、それはテクノロジーです。テクノロジーの進化が加速することで、市場そして競合に大きな変化をもたらしています。

まず市場についてです。

スマートフォンに代表されるテクノロジーにより、顧客のライフスタイルが大きく変わりました。購買行動に影響を与えるメディアが多様化し、購買もリアルに加えオンラインで行われ、モノの所有からサービスの利用へと変化しています。

テクノロジーは顧客の購買行動を変えるまでにライフスタイルに浸透してきましたので、市場の分析にあたっては、進化するテクノロジーがもたらす新たな顧客のライフスタイルという視点で将来の市場を見通す必要があります。

次に競合についてです。

グローバル化により世界的な大手と競争せざるを得ない状況が生まれています。ビジネスに必要な仕組みを一元化して世界中に提供できるテクノロジーの進歩により、海外展開が従来よりもしやすくなり海外からの参入も増えています。

さらに、テクノロジーが大きく変えるものがもう一つあります。それはビジネスモデルです。新しいテクノロジーが可能とする、従来は考えもつかなかった様な新しいビジネスモデルを通じて顧客が求める価値が提供されることで、競争相手ではなかった異業種と競争せざるを得ない状況も生まれています。

そのために、異業種だと思って気にもしていなかったグローバル大手が、ある日突然手ごわい競争相手になっていた、と言うケースが散見されます。従来型の業界内の競合を分析する視点に加え、グローバル/異業種、ビジネスモデルという視点で潜在的な競合と脅威を分析する必要があります。

経営企画部門は従来の視点に加え、テクノロジーの進化を分析のベースに、顧客のライフスタイル、グローバル/異業種、ビジネスモデルという3つの視点を強化していくことで、変化に対応し新しい価値を生み出していくことが可能になります。