変化対応のための仕組み作り

ITをはじめとしたテクノロジーが進化し、そのテクノロジーは社会に急速かつ広範囲な変化をもたらしています。社会の構造自体も流動的なものへと激変しています。変化対応は企業や個人にとって重要性を増していますが、そのための仕組みはあるものでしょうか?

まず、1つ目のステップは、変化に気付く、です。

これは当然のように思われますが、見えないところで変化が起こり、ある日突然破壊的な脅威として姿を現すケースも増えており、変化に気付くこと自体がまず難しくなっています。

今やテクノロジーはIoTに代表されるように社会の隅々まで浸透しています。変化対応が必要となるようなインパクトのある商品やサービスを提供する企業も、大企業のみならずスタートアップ/ベンチャーまで幅広くなりました。

ただ、専門的に各分野を見だすととても見きれるものではありません。幅広いジャンルの先端情報をカバーしている情報源がいくつかありますので、定期的に複数ウォッチするといいでしょう。

また、生活者の世代ごとに様々な変化が起こっており、リアルだけでなくバーチャル空間でも変化が起こっています。想像もつかなかった様なライフスタイルの変化や、価値観の変化など多々ありますので、多様な世代と交流を持ち変化の兆しをつかむ重要性が増しています。

2つ目のステップは、変化を見極める、仕分ける、です。

短期間に様々な変化が起きる現代、全てに対応するのは不可能です。

何が原因で起こっている変化か、その影響範囲や度合い、今後の見通しなど、変化の本質を見極め、自社にとって対処すべき変化かどうかを仕分けます。すぐに対処すべき変化もあれば、戦略的様子見というステータスがあっても良いです。見送るものは見送りましょう。変化に対する選球眼が求められます。

変化対応において最重要なのはタイミングです。早すぎるとコストが大きくなったり、成果が出るまでに時間を要したりします。遅いのも問題ですが、早すぎて結果的に失敗というケースも散見されます。

3つ目のステップは、変化に対処する、です。

タイミングが決まれば、あとはどの程度のリソース(予算、人員)を投入するか、誰がやるかという話になります。2つ目のステップで、変化を俯瞰したポートフォリオ(対応すべき変化の組み合わせ)のようなものができていればやりやすくなります。

社会やビジネスが複雑化、高度化し、自社だけでは取り組みを完結できないことも多いですので、誰(どの企業)と組むかも重要です。

以上、1.変化に気付く、2.変化を見極める、仕分ける、3.変化に対処する、という仕組みでした。

このアプローチは経営テーマ、ITをはじめとしたテクノロジーなど、様々な変化への対応に使えます。個人では無意識的に行っていることが多いですが、経営企画部門やIT部門などでは仕組みとして取り込むことで、変化対応のスピードや精度を上げることにつながります。