IoT、AI、RPAと企業規模、中小企業に成果が出るITは?

IoTやAIをはじめとしたテクノロジーがビジネスに大きなインパクトを与えるようになり、次から次へと登場する新しいテクノロジーに対して、どのように取り組めばよいか悩まれている企業や担当者の方も多いのではないでしょうか?

まず、注目が高いIoT、AI、そしてRPA(Robotic Process Automation)ですが、どのような企業が取り組むと効果的なのでしょうか?

IoTは大量のモノをインターネットでつなぎバリューチェーン全体で自動化、最適化を目指すものです。末端のモノに通信機能を持たせ、得られるビッグデータを保持し、リアルタイムに近い分析処理を行い、必要な場合にはフィードバックを行いますので、大きな予算が必要となります。

AIは膨大なビッグデータ、コンピューターの強力な処理能力があってはじめて効果を発揮します。AIの技術者も不足し、取り組む際のコストが高騰しています。

RPAは定型化できる業務量が膨大な場合に、OCRなどを活用した読み取りからデータ入力までの自動化により大きな生産性向上の効果を発揮します。

IoT、AI、RPA関連のソリューションやサービスを提供する側の企業にはスタートアップ/ベンチャーをはじめとした小規模企業も多いですが、上記のような特徴があるため、当面のユーザー企業としては大企業が向いています。

ただ、中小企業でも、何らかの部品や商品を製造/販売していて、それらが使われるバリューチェーンがIoT化すると価値が高まるような場合には、商品の訴求力が高まるのでIoTへの対応を積極的に進めると良いでしょう。

では、一般的な中小企業やITへの予算が小さい場合はどうすると良いでしょうか?

中小企業でのIT活用としては、会計や受発注をはじめとした基幹業務、ホームページ、電子メール、EC(電子商取引)、クラウド、動画、SNSなど数多くのITが登場しました。

振り返ってもっとも成果が出たものと言えば、やはり売上につながるECだったと言えるでしょう。この対応をうまく行った企業では市場が全国規模に拡大し、大きな売上増を実現しています。

基幹業務などのバックエンドは必要ですが、業務量が膨大なわけではないのでコスト削減効果も大きくは見込めず、業績向上に大きく寄与するのはやはり売上に直結するITです。

そういった観点から、中小企業やITへの予算が小さい時に現在おすすめなのはデジタルマーケティングです。従来のECに加え、インターネット広告を含めデータを最大限に活用しより統計的、ダイナミックなフィードバックを行いながら最大限の効果を狙うもので、AI技術もまっさきに取り入れられている分野です。

このデジタルマーケティングの分野では、システムの新規導入ではなく、サービスとして活用できるものも多く、小さく始められることもメリットです。

他に売上につながるITとしては、動画やSNSも大きな予算を必要としませんので、ターゲットが個人向けなど、うまく活用できる場合は大きな効果が出せる可能性があります。

中小企業や予算が限られる場合は、成果が出やすいものからITへの取り組みを進め、順次優先度の低いものにシフトしていくことも一考です。当面は大きなコストがかかるIoT、AIも次第にコストが低下して取り組みやすくなっていきますので。