新しいテクノロジーの活用に向けた検討手順

IoTやAIをはじめ、テクノロジーがビジネスに破壊的な影響を与えうる時代になり、新しいテクノロジーの活用を検討していたり、経営層から検討指示が出ていることが多いかと思います。ここでは、テクノロジーの活用を検討するにあたり基礎的な3ステップを紹介します。

まず1つ目のステップとして、テクノロジーの概要を理解するステップがあります。通常、新しいテクノロジーが出てきた場合、海外のことが多いですが、そのテクノロジーに関しての提唱者や権威がいるものです。そういったビジョナリーや企業を特定し、彼らが出している最もスタンダードとされているような書籍やレポートなどを見つけます。

そういった書籍やレポートが見つかれば、テクノロジーの概略はもちろん、テクノロジー活用を決定する上で最も重要なポイントである、何が本質的なメリットなのかといった話や、今後数年の展望なども把握できるはずです。そう言ったことが分かれば、それらは今後の検討で照らし合わせる青写真、イメージとなります。

続く2つ目のステップは、ベンダー調査です。ベンダーとは、テクノロジーに関するアプリケーション、サービスなどを提供している企業のことです。1つ目のステップでも主要な企業名や製品名などは出てきているはずですが、このステップで業界をリードするキープレイヤーとなるベンダーを数社特定します。

ベンダーを特定すれば、主要な製品群が分かりますので、それらを理解することで主要な機能を把握することができ、そのテクノロジーで何ができそうかが分かります。

3つ目のステップは事例調査です。前のステップでベンダーを見ましたが、ベンダーを見れば成功事例を掲載しているものですので、有力なベンダーを足掛かりに効率的に事例調査ができます。そのほかに漏れがない様に、自社の業界や隣接する業界などについて、海外含め何か事例がないかを調査します。事例では効果が出ていることも多いですので、そのテクノロジーを活用した場合に期待できる効果を粗々ですが把握できます。

効果的なテクノロジーの活用に向けては、自社固有の状況に基づいて評価をしなければなりませんので、他にも検討すべきポイントはありますが、ここまでの検討により今後本格的な検討に移るかどうかの判断材料になるかと思います。逆に、この段階で自社にとっては縁遠いようであれば、いくら流行っていても経過観察とするといった判断も可能です。